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京都のカフェバーで働き始めます!渡航計画を延期してでも働こうと思った理由

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先日、ひょんなことから、うちのゲストハウスのオーナーにカフェバーの仕事を紹介してもらうことになった。

 

「とりあえずどんな雰囲気なんか一度見に行こっか」と、日も暮れた19時頃、オーナーに連れられ、その店へ。

 

店内は丁度いい薄暗さで、カウンター席が10席、テーブル席も15席ほどある、決して小さくない空間のカフェバーだった。

そして客の8割は外国人で、まるで海外にいるような感覚に陥る。

ゲストハウス(うちとは違う店舗)と隣接していることがその理由らしい。

英語力を伸ばすには申し分ない環境だ。

 

いいないいなと一感心したところで、店長を紹介してもらった。

 

体格がどっしりした方で、なんだか日本人らしからぬ雰囲気を醸し出している。

 

はじめまして、と挨拶をしてから、仕事内容などについて軽く説明をしてもらった。

しかし、次第に面接のようなやりとりになっていき、ぼくの背筋もそれに伴って伸びていく。

 

"こんなの聞いてないですよー!"と、オーナーをチラリと見ると、苦笑いしている。

どうやらオーナーもこの流れは予想外だったらしい。

 

そして、9月にワーホリ渡航を計画していたぼくは、『働けるの4ヶ月だけでも雇ってもらえるかな?でもオーナーの紹介だし、もしかしたら…』と淡い期待を抱いていたが、その期待はもろくも崩れた。

 

 

店長の言い分はこうだった。

 

「店の都合的にも来年1月頃まで。つまり最低9ヶ月はいてほしいね。それに、この仕事はおしゃべりをしながら客の様子もみて、同時にしっかりと手は動かさなきゃいけないから、4ヶ月じゃ何も身に付かないよ。1年くらいやって、やっと身に付く仕事だから」

 

そう言われた。

 

まぁ、それはそうだ。向こうの立場から考えてみたら、当然のことだ。

 3ヶ月の研修期間が終了し、やっと使い物になりそうになったくらいで1ヶ月で辞められてしまうのなら、雇う気にはならないだろう。

経験者ならまだしも、ぼくはただカフェとバーが好きなだけの、未経験者だった。

 

考えが甘過ぎたな..と唸っていると、返事は今でなくていいよ、と店長が言ってくれたので、「では少しだけ考える時間を下さい」とぼくは言い、その日はカウンター席でオーナーと遅くまで酒を飲み、バーの雰囲気を楽しんだ。

 

 次の日

 

その仕事をどうすべきかを1日中悩んだ。

 

仕事を受けずに、予定通り9月に渡航するのか..

仕事を受け、予定を変えて1月に渡航するのか...

 

そもそも渡航時期を「9月」と定めて、それまでゲストハウスで働くことにしたのにも、ぼくなりの理由があった。

 

オーストラリアで9月は冬シーズン。

ファーム仕事が少なく、仕事が増え始める11月頃までの期間は語学学校へ通う時期としては最適であり、セカンドビザを狙う人がスタートダッシュを切るにはベストな月だと、留学エージェントの方が教えてくれたからだった。

 

しかし事態は少し変わった。

 

先日のバックパッカー税導入のニュースで、渡航先を他国に変更しようかと考えるほど、ぼくのオーストラリア熱は少し冷めてきていた。

 

かといってカナダやニュージーランドに変更したとしても、9月という時期を早めることがあっても延期するメリットはなにもない。

 

何よりも計画を延ばすと、夢がいつまでたっても実現できなさそうで、それがこわかった。

 

「やってみたいし、最高の環境であることは間違いないけど、今回は断ろう..」

 

そう思っていたとき、ネットで一つの記事に出会った。

  

mariholland.com

   

文章の担い手はブログ「Mariholland」を運営するMariさん。

彼女は「自分らしい人生を送りたい」と1年前にオランダで起業し、オランダ移住予定者の新生活サポートを手掛ける「Orange Life」の事業を展開している。ものすごいバイタリティーのある女性だ。

そして1989年生まれ。ぼくと同い年。

 

そんな彼女は記事の中で、自分の経験から学んだ考えをこう綴っている。

大事なのは、「英語で話せるかどうか」じゃなくて、「自分の強みと経験」を持つこと

英語で話せることが当たり前の海外では、「英語で話せること」は武器としてほとんど役割を果たしません

自分のまわりの外国人が同じように英語を話せる、またはネイティブとなるわけだから、仕方ありません。

一番大切なのは、あなたにどんな強みや経験があって、一緒に仕事をしたらどんなことができるのかという「中身」の部分なんだと思います。

たとえ英語が拙くたって、その人の強みや経験によっては、ネイティブ並みに英語を話せる人よりもはるかに価値があると見られます。

  

この文章を読んだとき、ドキッとした。

 

ぼくにはこれといった強みがないことに気づいたからだった。

 

3年間消防士を務めたが、これは非常に特殊な仕事で、「消防の常識は世間の非常識」という言葉があるくらい、消防の世界は世間とズレている。

 

消防士以外の職務経験はバイトで、ファミレスのガストだけ。深夜のキッチンを担当していた。オーダー数は少なく、締め作業を時間内に終わらせるだけで、体力的にはキツかったけれど、大して身にならない仕事だった。

  

そんなぼくが、このままワーホリ渡航に出たとしても、選べる仕事の選択肢はきっと多くない。 

 

もちろん、ぼくのワーホリの目的は世界一周に向けた英語の上達で、それが最優先であることに違いはないが、海外のローカルカフェやバーで働くということも、ぼくがやってみたいことの1つなのだ。

 

もし、この英語環境が整ったカフェバーで、ある程度仕事が身につくまで働き、それから海外に出たとしたら、 その経験は「即戦力歓迎!」のワーホリでは大きな武器になる。

 

また、ぼくは漠然と「ワーホリ後の世界一周のテーマは『人が集まる空間を巡る旅』にしようかな」と考えていた。

 

人がその空間にどんな魅力を感じて集まってくるのか。

なぜそこじゃなきゃダメなのか。人なのか、モノなのか、場所なのか、何が他と違うのか。どのように知ったのか。

 

そんなことを探りながら世界中を旅してみるのも、楽しそうだなーと思うのだ。

そして、そういった『人が集まる空間』をつくる側の経験があるかないかの差は、実際にその『人が集まる空間』を訪れたときに、見えるモノにも差ができる気がした。

 

 

4ヶ月間。

決して短くない時間だ。 

 

 

でも最初の予定より4ヶ月間延ばすことで、今後の可能性が広がるなら、やってみようと思った。

そしてカフェバーの仕事は、ずっとやりたかったことでもある。

  

また、このタイミングでMariさんの記事に出会えたことにも、何か意味がある気がした。

 

そして勢いそのまま、「働きたいです」と店長に連絡を入れたら「OK」の返事をもらえた。

そして後日、さらに詳しくカフェバーの仕事を説明してもらえることになった。

 

ということで、カフェバーでの仕事と、来年1月までは日本にいることが決まった。

自分が何のために働くのかを忘れずに、頑張ってみようと思う。

 

ブログのテーマと相反しているぼくの行動は、おまえいつまで日本にしがみついとんねーん!っていう話だと思うけれど、どうか長い目で見ていてほしい。

 

では、今日はこのへんで!