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ウェリントンのコーヒー文化の特徴について、現地バリスタのぼくが書いてみた

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こんにちは。

ニュージーランドウェリントンのカフェでバリスタをしているtabikuraです。 

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ウェリントンの前は、オーストラリア・メルボルンでコーヒー修行をしていました。

 

ウェリントンはCNNニュースで「世界のコーヒータウン8選」として選ばれるなど、"コーヒーの街"として広く知られていますが、実際のところ、どんなコーヒー文化が根付いているんでしょうか?

 

今日はそのへんを、現地バリスタの視点からレポートしたいと思いますよ!

 

 

 

ウェリントンのカフェシーン

 

ウェリントンでは街のいたるところにカフェがあり、レストランにもエスプレッソマシンが必ず置いてあります。

 

朝の仕事前に、自分のお気に入りのカフェにコーヒーを求めて人が集まり、テイクアウェイカップを片手にお店からどんどん出て行くシーンはメルボルンでもよく見たお馴染みの光景。

 

ただ、なにぶん街のサイズそのものが小さいので、メルボルンのようにどこのカフェもアホみたいに忙しいなんてことはあまりありません。(うちのカフェでだいたい1日あたり300~400杯程度)

 

ぼくの勤務先はビジネスエリアにあるため、日中は会社勤めの人たちがミーティングの場としてカフェにやって来ることもよくありますね。

 

またコーヒーはエスプレッソ系(カプチーノ・フラットホワイト・ロングブラックetc..)のものが主に飲まれています。

 

 

コーヒーは基本的にダブルショット

 

ウェリントンの人は濃いコーヒーが大好きです。

 

フラットホワイトもラテもカプチーノも、ダブルショットがスタンダード!

ショートブラックの概念もないようでエスプレッソをオーダーしても基本的にダブルで提供されます。

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メルボルンでは基本的にシングルショット(テイクアウェイはダブルリストレットのカフェが多い)のコーヒーが飲まれていたので、最初はぼくも「うっ」となるくらい濃い、ウェリントンのコーヒーに慣れるまで苦労しました。

 

ウェリントンでコーヒーを飲む際に「ちょっと濃すぎるな..」と思ったら、シングルショットでお願い!と注文時に伝えましょう:)

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みんな超フラットホワイト大好き

 

フラットホワイトの起源はシドニー説とオークランド説とウェリントン説があるそうですが、

「もうウェリントンでええんちゃうか」と言いたくなるほど、みんなフラットホワイト大好きです。

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朝、エスプレッソマシンの前に並ぶオーダー表は"flatwhite"だらけで、お祭り状態です。

 

ある日の朝なんかは5人ぐらいのグループがやってきて、

 

「ぼくはflatwhiteで。君はどうする?」

「わたしもflatwhite」

「ぼくもflatwhite」

「ぼくも」

「おれはええっと..... flatwhiteで笑」

「(みんな爆笑)」

 

みたいなこともありました。 

 

ラテもカプチーノも希少部類で、

フラットホワイト、ロングブラック、モカカプチーノ=ラテの順によくオーダーが入る気がします。

メルボルンではラテが多かったので、こんなにも傾向が違うのは面白いですよね:)

  

ちなみにウェリントンのフラットホワイトの起源は「カプチーノの作り損ね」から始まったと言われてるみたいですよ。

New Zealand claim originates from Wellington as a result of a "failed cappuccino" at Bar Bodega on Willis St in 1989.

Flat white - Wikipedia

 

 

みんなモカも大好き

モカエスプレッソをチョコレートミルクで割った飲み物ですが、

カプチーノやラテよりもこのモカが本当によく出ます。

 

提供する際には、マシュマロがサイドに添えられます。

モカ好き曰く、砂糖を入れるよりもマシュマロを溶かしながら飲むのが美味しいのだとか。 

 

 

カスタムオーダーが少ない

なぜかウェリントンの人はあまりカスタムオーダーしません。

 

メルボルンではお馴染みの"half soy milk & half almond milk, 3/4, strong, extra hot, decaf, flatwhite with 2 sugars please."

みたいなやりがいのある(バリスタ泣かせ?)カスタムオーダーは滅多に入ってきません。

 

なのでバリスタとして働くのは正直めっちゃ楽ですが、どこか物足りなさも感じます。

 

 

フィルターコーヒーが若者を中心に人気

うちのカフェではバッチブリュー(作り置き)のコーヒーを2種類提供していますが、お客さんは意外にもそれを求めてやって来るので、その人気ぶりに驚いてます。(1日最低5ℓは出ます。)

 

カフェによっては"bottomless filter"という、おかわり自由のフィルターコーヒーを提供している太っ腹なところもあります。

 

でも基本的にお店で飲むフィルターコーヒーは濃くて、渋い(dry)なテイストがたくさん出てしまっているコーヒーが多い印象。

もっとフィルターコーヒーの抽出技術のレベルが高くなるといいなあと、エラそうに思ったりしてます。

 

 

街で常連のお客さんにめっちゃ会う

コーヒー文化とはすこし話がそれますが、ウェリントンは街の規模が非常に小さいので、道を歩いていると常連のお客さんに絶対に出くわします。

出くわさなかった日は逆にないんじゃないかって思うほど出くわします。笑

 

そんなときは眉毛くいっで挨拶したり、手を振ったり、相手が忙しそうじゃなかったら立ち止まって小話をすることもあります。  

 

ウェリントンメルボルンとのコーヒー文化の決定的な違い

 

さて、どちらもコーヒーの街として知られている2大都市ですが、多様性の面で大きく違うと感じます。

  

例えばウェリントンでは、人々が好み、ロースターが提供するコーヒーは基本的に中煎り〜深煎りがメインで、メルボルンほどの超浅煎りコーヒーが飲めるカフェは現在存在しません。

コーヒー市場もSupremeやMojoやHavana、Flight等のビッグロースターが占めていて、焙煎のプロファイリングもどれも似たり寄ったりな印象です。

 

誤解のないように言っておくと、中煎り〜深煎りのコーヒーが美味しくないと言っているわけでは決してありませんし、ウェリントンのコーヒーは美味しいです。

 

ただ、生産者と消費者の距離を近づけようとする試みだったり、新しいことをどんどん取り入れて自分だけの色を出そうとする活気は、メルボルンのコーヒー文化のほうが盛んで面白かったなあ、と個人的には感じています。

 

例えば、メルボルンでは、

誰でも参加可能のカッピングイベントが毎日毎週どこかのロースタリーでやっていたり、

超浅煎りのコーヒーや、ブラックコーヒーのみを提供するカフェがあったり、

ナチュラルプロセスの配合率を高めたフルーティな味のするブレンド豆があったり、

街の至るところで様々なブランドのコーヒー器具が手軽に買えたりしますが、

 

ウェリントンでは上に書いたようなことはまだありません。

 

なので、あの小さな街にあれだけの数のロースターとカフェが集中していて、かつ、それぞれにきちんと需要がありつつ、新しい挑戦を支持する需要もしっかりあるという、

メルボルンが"コーヒーの聖地"と呼ばれている理由を、いま離れてみて初めて理解できています。

 

ただウェリントンでもフィルターコーヒーの需要の高まりを感じているので、

これからもっとコーヒーの楽しみ方の多様性は広がっていくことが期待できますね:)

 

 

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