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コーヒーの渋みをコントロールする方法

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こんにちは。

バリスタで現サラリーマンのtabikuraです。

 

今日は、コーヒーの科学に関する素晴らしいブログ「Coffee ad Astra」で紹介された、

コーヒーの「渋み」に関する興味深い記事をご紹介します。

 

記事によると、最近の科学研究がコーヒーの"渋み"に関する従来の常識を覆す新たな知見をもたらしたとのこと。

 

この記事では、その発見の概要と、それが私たちのコーヒー体験にどのような影響を与える可能性があるのかについて、解説します。

 

この記事を読めば、コーヒーの"渋み"を意図的に回避できるようになり、

明日からのコーヒータイムがさらに楽しくなるはず。

 

では早速いってみましょー!

 

なお、本記事の詳細は

The Mechanism Behind Astringency in Coffee – Coffee ad Astra

で原文を読めますんで興味ある方どうぞ。

 

 

1. 渋みの正体 - 溶けにくい化合物の謎

 

そもそもですが、皆さんはコーヒーを飲んだ時に感じる渋みについて考えたことがあるでしょうか?

苦味とは異なる、舌がザラザラするような、不快な感覚です。

 

身近な例だと、出涸らしのお茶を飲んだときや、キュウリの端をかじったときにも似たような体験をすることがあるかと思います。

 

実は、この渋みの正体が最近の研究で明らかになってきました。

驚くべきことに、コーヒーの渋みを引き起こす化合物は、水に溶けにくいのです。

 

これは、何を意味するのでしょうか?

 

簡単に言うと、この渋み成分は、お湯の中で溶けずに、小さな粒子として浮遊しているのです。

油が水に浮かぶようなイメージですね。

 

このことから、美味しいコーヒーを淹れるためには、この水に溶けにくい渋み成分をいかにカップに入れないかが重要となります。

 

次の章では、そのコントロール方法について詳しく見ていきましょー!

 

 

2. コーヒーベッドが果たす重要な役割

 

コーヒーを淹れる時、ドリッパーの中に形成される「コーヒーベッド」をご存じでしょうか。

これは、お湯を注いだ後に残るコーヒー粉の層のことです。



実は、このコーヒーベッドが美味しいコーヒーを淹れる上で非常に重要な役割を果たしています。

コーヒーベッドは、単にコーヒーの味を抽出するだけでなく、優れたフィルターとしても機能しているのです。

 

特に、渋みの成分を取り除く上で重要な働きをします。

 

理想的なコーヒーベッドの条件は以下の通りです。

❶ 厚みが十分にあること

❷ 平らであること

➌ かき乱されていないこと

 

これらの条件が揃うと、お湯がコーヒーベッドをゆっくりと均一に通過し、渋み成分を効果的に取り除くことができます。

 

逆に言えば、コーヒーベッドの表面が凸凹していたり、端っこにすき間があったりすると、お湯が一部の場所に集中して流れてしまい、渋み成分をフィルタリングするのが難しくなります。

 

この現象はチャネリングと呼ばれ、過去の記事でも紹介している通りです。

 

ですので、次コーヒーを淹れる時は、コーヒーベッドの状態にも注目してみてください。

均一で平らなベッドを作ることで、よりクリーンで美味しいコーヒーを楽しめるかもしれません。​​​​​​​​​​​​​​​​

 

 

3. 挽き方と渋みの関係 - 細かすぎるのは良くない?

 

コーヒーを淹れる際、豆の挽き方は味に大きな影響を与えます。

一般的に、細かく挽くほど抽出効率が上がり、濃いコーヒーが楽しめると言われています。

ぼくも、細挽きで抽出するコーヒーが大好きです。

 

しかし、渋みに関しては少し話が違ってきます。

実は、豆を細かく挽きすぎると、思わぬ副作用が起こるのです。

 

それは「渋みの増加」です。なぜでしょうか?

 

理由は以下の通りです。

 

❶ 細かく挽くほど、コーヒー豆の表面積が増える。

❷ 表面積が増えると、より多くの渋み成分が水に触れる機会が増える。

❸ 結果として、より多くの渋み成分が抽出液に混ざってしまう。

 

つまり、極端に細かく挽いたコーヒーは、どんなに注意深く淹れても渋みが強くなってしまう傾向があるのです。

 

他にも、挽き目を細かくするほど、水がコーヒー層を均一に抜けることが難しくなるため、チャネリングが発生しやすくなるという側面もあります。

 

では、どうすれば良いのでしょうか?

 

答えは「バランス」にあります。

あまり粗すぎず、かといって細かすぎない、ちょうど良い挽き具合を見つけることが大切です。

 

初心者の方には、中粗挽きからスタートし、少しずつ細かく調整していくことをおすすめします。

そして渋味を感じる挽き目に当たったら、一つ前に戻る。

そこがコーヒーのスイートスポットです。

 

自分好みの挽き具合を見つけるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、

その過程自体がコーヒーを楽しむ一部にもなるはず。

 

覚えておきたいのは、「細かければ細かいほど良い」わけではないということ。

あなたの好みに合った、ちょうど良い挽き具合を探してみてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

 

 

4. 温度が鍵を握る - 低温抽出の可能性と限界

 

コーヒーを淹れる際の水温は、味わいに大きな影響を与えます。

一般的に、焙煎度合いに応じて85〜96℃程度の高温で抽出するのが主流ですが、

渋みに関して言えば、低温抽出にも興味深い可能性があります。

 

なぜ温度が重要なのでしょうか?

 

- 高温:コーヒーの様々な成分を効率よく抽出できます。香りや酸味、甘みなどが豊かに引き出されます。

- 低温:渋みを引き起こす成分が溶けにくくなります。

 

実験によると、70℃程度の低温で抽出すると、渋みが大幅に減少し、非常に高い抽出率(27%程度)を達成できることが分かりました。

コーヒーの濃度計とか触ったことある方からしたら、これは結構驚きの結果ですよね。

 

 

しかし、低温抽出にも以下のような課題があります。

❶ 酸味や香りが弱くなる

❷ 味わいが単調になりがち

❸ チョコレートやナッツのような風味が強調される

 

つまり、温度を低くすることで渋みは減るものの、

コーヒー本来の魅力的な風味も失われてしまう可能性があるというわけです。

 

では、どうすれば良いでしょうか?

 

  1. 標準的な温度(85〜96℃)で抽出し、他の方法で渋みをコントロールする
  2. 低温抽出と高温抽出のブレンドを試してみる
  3. 好みに合わせて温度を少しずつ調整してみる

 

重要なのは、温度調整は渋みをコントロールするための一つの方法に過ぎないということです。

他の要素(挽き方、抽出時間など)とのバランスを取りながら、自分好みの一杯を見つけていくことが大切です。

 

ちなみに、元ワールドバリスタチャンピオンのJames Hoffman氏は、

100℃の沸騰したお湯で蒸らしを行い、その後80℃ほどでコーヒーを入れる、

高温と低温をブレンドした抽出方法をYouTubeで紹介してましたね。

 

この手法はバリスタが味を競うブリュワーズカップ等でも、

近年よく見かける抽出方法となってきました。

 

ですので、コーヒーを淹れる際は、温度計を使って水温を確認してみましょう。

温度を意識することで、より繊細なコーヒー作りが楽しめるはずですよ。

 

ちなみに、この高温と低温をブレンドした抽出方法は

家でも簡単にできるので是非試してみてください。ぼくもよくやってます。

 

 

5. 結論

コーヒーの渋みについて、科学的な視点から新たな発見を探ってきました。

 

ここで、重要なポイントを整理してみましょう。

  1. 渋みの正体は水に溶けにくい化合物である。
  2. コーヒーベッドは重要なフィルターの役割を果たす。
  3. 細かすぎる挽き方は渋み成分を増やすため、必ずしも良いわけではない。
  4. 抽出温度は味わいに大きく影響する。

 

これらの知識を活用することで、より美味しいコーヒーを淹れることができるはず。

 

こういった科学的な知見を参考にしつつも、最終的には自分の味覚を信じて、好みの一杯を探求してみてください。

 

 

それではまた!