どんどん身近になっているカメラと写真
新機種が発表される度にスマホのカメラの精度は上がり、数年前から綺麗な写真が手軽に撮れるようになったし、
”インスタ映え”という言葉が流行しているように、SNSを通じて他人に自分の写真を見てもらえる機会がぐっと増えました。
そんな中で、プロの写真を見ることがあると、”あ、やっぱり違う”と感心します。
素人とプロの差は、写真の鮮度だったり、背景のボケの美しさだったり、カメラの性能の違いや、テクニックの差はもちろんあるんでしょうけど、
それ以外に何かひきつけられる魅力を感じるところがあるんですよね。
“何がこんなにも違うのかな”
“自分もこんな風に素敵な写真撮りたいな”
なんて思っていましたが、
最近“写真の便利帳”という本に出会って、プロと素人の差を言葉で理解できたことで、軽い衝撃を受けました。
写真への価値観がぽーんと広がった筆者の言葉
その本の出だしには、こうあります。
(以下本文より抜粋)
この世に、悪い写真なんてない。
ただし、写真のコンテストで評価されるように、当選・落選を決める基準はある。
その基準とは、「見る人に撮影者の気持ちが伝わるかどうか」
伝わる写真は当選し、伝わらない写真は落選する。
つまり、良い写真・悪い写真はないけれど、伝わる写真・伝わらない写真は存在するということである。
では伝わる写真を撮るにはどうすればいいのか。
それはテーマの明確化、「何を伝えたいか」を決めることである。
テーマがわかれば、その写真が成功しているのか失敗しているのかがわかる。
テーマがわかれば、「もっとこうすれば伝わるよ」というアドバイスもできる。
テクニックの前に、まずはテーマありきなのである。
これが明確でなければ、伝わる写真は撮れない。どんなテクニックを使ってもダメ。
例えば、光が差し込む置いてあるグラスを見て「コップのふちが光ってきれいだな」と思い、カメラを構える。
これが、写真で伝えたいことだ。
その写真を見た人が、「この人は、グラスのふちの輝きを伝えたかったんだな」と思えば、伝わる写真が撮れた、ということになる。
反対に、「グラスを撮影したんだ、それで?」と思われてしまえば、それは残念ながら、伝わらない写真ということになってしまう。
なぜきれいだと思ったのか、その理由を深く掘り下げて、導き出した”きれい”がより伝わるように工夫すると、テーマは伝わりやすくなる。
ハッとさせられていたものの正体
この文章を読んで、プロの写真家が撮る作品にハッと引き込まれていた理由がわかった気がしました。
ハッとさせられる作品には、撮影者の伝えたいテーマが明確にあって、しかもそのテーマが浮かび上がって見えていたんです。
“露出が〜、構図が〜というテクニックの前に、テーマを持って、それを掘り下げることが、伝わる写真撮るためにはまず重要なことなんだよ”
ということをこの本から学べたので、カメラを構える度に”どうすれば伝わるかな”と、以前よりも違った視点で、楽しんで写真を撮れるようになりました。
他にもこの本には、どうすれば伝わる写真になるかを淡々とテーマ・シーン別に21ケース【光、質感、リズム、猫、カフェ、などなど】書かれています。
テーマの見つけ方、デザインの作り方、写真の表情のつけ方など、"伝わる写真にするための工夫"が難しくならないように紹介されているので、"写真を撮る際の意識改革"に手軽に取り組めます。
日常でふと込み上げる「撮りたい!」と思った気持ちを掘り下げて、写真を楽しみたい、
もっと素敵に子どもの思い出を残したい!という人や、
ワーホリ写真のインスタ映えに磨きをかけたい!という人は一度読んでみてはどうでしょうか?
きっと新しい発見がありますよ:)
『写真の便利帳』の構成
Chapter 1 何を撮るか、どう撮るか
伝えたいことを掘り下げる
関係ないものは入れない
ベースラインを整える
写真に表情をつける
伝わる写真の手順
この本の見方
Chapter 2 身近なところからはじめられる21ケース
光
花
猫
質感
雲
かたち
リズム
雨
夕景
グラデーション
影
反射(映り込み)
色(街中)
色(自然)
雰囲気
路地裏
建築
朝
間
カフェ
組写真
コラム 「写っちゃった」を楽しむ
Chapter 3 カメラの機能やレンズを生かした6ケース
ボケ
ブレ
レンズ
クローズアップ
モノクロ
アレ
コラム 絶妙な距離感
Chapter 4 目的をもって撮影に行く場合の7ケース
人物
桜
紅葉
夜景
イルミネーション
月
鉄道
コラム 一枚に手間をかける
用語集
それでは今日はこのへんで!
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