バリスタのtabikura(@tabikuralog)です。
今回はオススメの美味しいドリップコーヒーの淹れ方をまとめてみました。
それぞれの手順を「なぜ」「どうして」それを行う必要があるのか、
なるべくロジカルに、でも堅苦しくならない範囲で説明を行うことで、
センスや経験、勘に頼らなくても美味しいコーヒーを淹れられるように解説してます。
「やってみたけど、いまいちコツが掴めない」という初級者~中級者向けの記事になっていますが、
動画での解説も行ってますので「コーヒーの腕を上達させたい!」「ドリップコーヒーに興味がある!」という方もチェックしてみてください:)
【動画付き】淹れ方の手順と抽出理論を解説
さっそくですが動画です。
こちらでは3分で終わる簡単な解説を行っています。
このドリップの特徴は3つあります。
1. この方法でコーヒーを淹れると、「雑味が少ない」「フレーバーがはっきり」「上質な酸味」を感じれる、カフェで飲むような美味しいドリップコーヒーが家でも楽しめます。
2. "蒸らし+1回注ぎ"なシンプルなドリップ方法で、1:30で注湯は完了。あとは落ち切るまで待つだけなので、とても手軽です。
3. 再現性の高い抽出方法で、「美味しかったり、美味しくなかったり..」というブレが少なくなります。
ここから、より詳しい手順と解説をしていきますが、
まず最初に、コーヒーの味わいを決定づけるコーヒーと水のバランス関係からお話したいと思います。☟☟☟
コーヒーと水の美味しい比率
料理には美味しいと感じる塩分濃度というものがあり、
それは人の体液とほぼ同じ0.8-1.0%くらいと言われています。
同じように、コーヒーにも美味しいと感じやすい濃度帯というものがあって、だいたい以下の数字を守れば良いとされています。
ドリップコーヒーの場合、
だいたい1:15 - 1:20くらい
フレンチプレスなどの場合、
だいたい1:15 - 1:17くらい
※コーヒー1gに対する、水(ml)の比率
"左側の1"に対して、"右側の数字"が大きくなるほど、薄いコーヒーになります。
例えば、1:17の比率を応用してドリップコーヒーを淹れるとしたら、
コーヒー14.7gに対して250gの水を使えばいい。
ということになります。
自分が好みの数字(つまり濃度)は覚えておくと便利で、例えば家で友達三人分のコーヒーを淹れたいときに使えます。
「一人200mlくらい飲むとして、600ml抽出したいな。普段"17"の濃さが好きだから、"600÷17 = 35.2g..."、あ、35gのコーヒー豆を使えばいいんだな」
という具合です。
(注: コーヒー粉が重量の2倍の水分をキープするため、この場合の実際の抽出量は600ml-(35g×2)=530ml前後になります)
しかしながら、コーヒーにも人それぞれ好みというものがあります。
「1:10で淹れる自分のコーヒーが一番美味しい」
とあなたが感じるのであれば、それが正解です!
ぼくが好きな言葉に
"The best coffee is the coffee you like. (自分の好きなコーヒーが一番!)"
というものがあります。
2018年ドリップコーヒー世界大会のチャンピオン、深堀絵美さんのモットーだそうですが、全くその通りだと思います。
"型"にハマる必要は一切ありませんので、あくまでも参考程度にとらえていただければ幸いです。
さて、"コーヒーの美味しい濃度帯"の話の続きですが、
具体的な数字を挙げると、だいたい1.25~1.5%くらいの濃さで、コーヒーの成分が19-24%ほど溶け出したものが美味しく感じやすい、とされています。
その濃度帯にたどり着きやすいコーヒと水のバランスが、先ほどの1:15-1:20くらいの比率というわけです。
下の図はCoffee Brewing Control Chartと呼ばれ、世界で最も権威のあるコーヒー協会SCA(Specialty Coffee Association)で発表されている世界的なコーヒーの基準です。
水とコーヒーの相関性を示す濃度や比率の数字は、こちらが出典元となっています。
1:15~1:20くらいの比率が、"IDEAL(=理想)"の枠にハマっていることが見て取れますね。
(Measuring and Reporting Extraction Yield – Coffee Ad Astra)から転載
なお、上の図は透過法によるコーヒーと水の比率を示しています。
もっと詳しく知りたいぞ!という人は、こちらのブログがオススメです。
Coffee Ad Astra – A Scientific Approach to Coffee Brewing
著者のジョナサンは天体物理学の研究者で、科学的な抽出理論はかなりマニアックな内容ですが、読み応えがあり、非常におもしろいです。
水とコーヒーのバランスの関係性が理解できたところで、
具体的な手順の解説をしていきます。
簡単でロジカルなコーヒーの淹れ方
1.お湯を用意する
まず時間のかかるお湯から準備を始めます。
湯温の目安は、以下の通りです。
浅煎り - 100℃
中煎り - 92-95℃
深煎り - 86-89℃
湯温が高いほど多くの成分を引き出すことができるので、
雑味や渋味を感じないギリギリの高い温度に設定します。
また、浅煎りになるほど抽出温度を高く設定している理由があります。
焙煎されたコーヒー豆の断面を顕微鏡で覗くと、蜂の巣のような空洞が無数に見えます。
この空洞はカプセルのようなもので、中にはコーヒーのアロマやガスが閉じ込められています。
この空洞は焙煎する過程で生豆の水分が蒸発・膨張していくことによって生じます。
焙煎時間の短い浅煎りになるほど空洞が増えていくプロセスが短く、その"カプセルの数"が深煎りに比べて少なくなるので、成分を引き出しにくくなります。
(浅煎りのコーヒーが蒸らしの際に膨らまないというのも、空洞の数が少なく、中に閉じ込められているガスが少ないことが一つの理由です)
したがって、浅煎りのコーヒー豆からしっかりと美味しい成分を引き出すには、
・なるべく高い湯温で抽出する
・挽き目を細かくして、お湯と粉が接する表面積を増やす
といったことが必要になってきます。
「自分で淹れた浅煎りのコーヒーが酸っぱくて美味しくない..」
と感じたことのある方は、思い切って100℃で抽出し、いつもより挽き目を細かくしてみるといいかもしれません。
「100℃なんて、雑味が出て美味しくないに決まってる」
とコーヒーをよく淹れる方ほど思うかもしれませんが、
この記事で紹介しているドリップ術(蒸らし+1回注ぎ)で試してみると、
酸質が柔らかくなり、フレーバーに奥行きが出て、甘みも感じるかと思います。
もしかすると、その味わいの中に雑味や渋みを感じるかもしれませんが、
その際は挽き目を一つ粗く調節すると、ちょうど良い塩梅になります。
ぜひ一度、試していただきたいです。
また、水は温度が高いほど水の粘性が下がる = コーヒーの間を流れる水の抵抗が減るという性質があるため、
高い湯温で抽出するほど、早くコーヒーを落としきることができる(より細かく粉を挽くことができる)というメリットもあります。
2.コーヒー豆をスケールで量る
お湯を沸かしている間に、抽出の準備に入ります。
豆の重さは焙煎度合い(水分含有量)によって大きく変わるので、スケールで正確に量ります。
コーヒーと水のバランスは、先述のコーヒーと水の比率(1:15~1:20)を参考に、自分好みに決めてみてください。
ぼくは深煎りであれば1:14~1:16の比率を使ってやや濃いめに、
浅煎りであれば1:17~1:20の比率を使って薄めに淹れるのが好きです。
動画では浅煎りのコーヒーを淹れているので、13.5gのコーヒーに対して250gの水(1:18.5の比率)を使っています。
コーヒーの濃度が薄くなるほど、コクやボディは感じにくくなりますが、コーヒーの個性や風味を感じ取りやすくなり、酸質も柔らかくなるので、
「浅煎りコーヒーの酸味が苦手」という人は、思い切って1:20の比率を使い、薄めに淹れてみると美味しく飲めるかもしれません。
また挽き目は、中挽きとしていますが、だいたいでいいです。
というのも、オンライン上で挽き目の共有をするというのは、一番難しいことなんですよね..。
中挽きというのも、主観的な言葉ですし、皆それぞれ持っているグラインダーも異なる、グラインダーの歯の摩耗具合も違うというのがその理由です。
なので、まずは「これくらいかな?」で始めてみましょう。
レシピ通り、1分30秒で注ぎ切って、だいたい2分45秒くらいに落ち切る挽き目を見つけてみてください。
3.ペーパーをドリッパーにセットし、湯通しする
湯通しには3つの目的があります。
1. 器具を温める
- 抽出中はなるべく高い温度を維持し、より多くの成分を取り出したいので、器具は事前に温めておきます。
2. コーヒーの風味を邪魔する"ペーパーの匂い"を事前に落とす
- ペーパー臭は漂白済みの白いものであればそれほど強く感じられませんが、
茶色い未漂白ペーパーはダンボールのような香りがコーヒーに移ってしまうため、よくリンスすることをオススメします。
3. V60の側面にしっかりと紙を貼り付ける
- これはV60のような円錐形ドリッパーに限ったことかもしれませんが、紙をしっかりドリッパーのリブに沿わせて貼り付けることで、抽出に影響を与えないようにします。
4.ペーパーにコーヒー粉を入れて、穴を掘る
コーヒー粉を入れたら、ドリッパーをゆすって、コーヒーを平らにします。
次に、粉の真ん中に穴を掘ります。
円錐形ドリッパーの真ん中の層は厚みがあるため、これをしないと、最下層のコーヒーが水に濡れるまで時差が発生し、抽出に若干の差が生まれます。
差は、まとまりのない味を生むので、それを避けるためのテクニックです。
映画「かもめ食堂」で、主人公が美味しいコーヒーの淹れ方を習うシーンがありますが、これは結構理にかなっていたということになります。
ぜひ、このおまじないを試してみてください。
5. ドリップスタート
では準備が整ったので、いよいよドリップスタートです。
ドリップの際に意識することは、
よーいスタート!で全てのコーヒーを完全に濡らし、
全てのコーヒー粉が同じタイミングで抽出を完了するゴール!を狙い、
コーヒーの成分を均一に抽出することです。
タイマーをスタートしたら一投目に入ります。
ここでは、コーヒーの重さの3.5倍の湯量を少し高い位置から注ぎ、全てのコーヒーを時差なく完全に濡らすことに集中します。
蒸らしの湯量は、”コーヒー粉の重量に対して2倍”とする方法が一般的ですが、
コーヒー粉はその重量の2倍の水を吸収/保持する性質にあるので、下にポタポタと落ちていく水のことも考慮すると、完全に粉を濡らすには2倍以上の湯量が必要です。
さらに、全ての粉を完全に濡らし切り、上の方法でクルクルとスムーズに混ぜ合わせるには、粉量の3.5倍の湯量が最適です。
目標量のお湯を注いだら、ケトルを置き、ドリッパーをクルクルと回転させ、遠心力を加えます。
クルクルと回転させる目的は、お湯と粉を混ぜ合わせ、全ての粉を確実に濡らすことにあります。
この混ぜる行動は攪拌(カクハン)と呼ばれます。
撹拌については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、1投目を終えた後の撹拌のポイントは、表面に浮かんでくる泡がなくなるまで、よくコーヒー粉とお湯を混ぜ合わせることです。
泡は、コーヒー粉とお湯が触れたことにより、二酸化炭素が発生したことを示します。
つまり、この泡が蒸らしから1分後に表面に浮かんだとすれば、それは乾いたコーヒー粉が濡れずに1分間残っていたということを意味します。
乾いたコーヒー粉は水を弾く性質があり、抽出中のコーヒー内部にチャネリング(抽出の偏り)を形成する原因となるため、軽視できない存在です。
「表面に泡がない」というのは「全ての粉が濡れた」という一つのポジティブなサインになりますので、ぜひ観察しながらコーヒーを淹れてみてください。
より詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
回転ではなくスプーンで攪拌しても良いか?と聞かれますが、問題ありません。
むしろカリタウェーブのような楕円形ドリッパーの場合、スプーン攪拌のほうが確実に粉を濡らすには適していると思います。
ただしグラインダーの性能によっては、微粉が多く生じるものもあります。
スプーン攪拌は微粉をドリッパーの底へ移動させ、出口を塞ぎ、抽出スピードを遅くしてしまう原因にもなりうるため、
V60のような円錐形ドリッパーで抽出する場合、ドリッパーを回転させて攪拌する方法をオススメします。
二投目
45秒待ったら、二投目に入ります。
ここからは、残りのお湯を1分30秒ちょうどくらいに注ぎ終わるような注湯スピードでコントロールします。
1分30秒ほどで注ぎ終わったら、ケトルを置き、ドリッパーを手で持ち、再び軽く回転(スピン)させ、加えて軽く振動(タップ)を加えます。
これをする目的としては
❶ドリッパー側面についた粉を底へ沈め、コーヒーを平らにする
❷チャネリングを軽減させる
といったことが挙げられます。
スピンとタップをしないとどうなるかというと、
お湯とコーヒーが触れている部分と触れていない部分に抽出の差ができてしまいます。
お湯が触れている真ん中の部分ではコーヒーが抽出され続け、
お湯が触れていない側面ではコーヒーの抽出がストップします。
すると、できあがった1杯のコーヒーがまとまりのない味わいになってしまうのです。
変な例えかもしれませんが、よく煮込まれてる野菜と、半ナマのシャキシャキ野菜が混在するカレーのようなイメージです。
一方で、今度はコーヒーにスピンとタップを加えてあげた写真です。
最初の画像と全く同じ量のコーヒーをドリップしていますが、
途中でドリッパーを回転させることで壁面の粉を下へと落とし、全てのコーヒー粉がスタートからゴールまで均一に濡れるようにしています。
こうすると、コーヒーはまとまった味わいになりやすく、美味しくなります。
しかし、スピンとタップもやり過ぎると微粉の移行が起き、ドリッパーの底を塞いでしまうことに繋がるので、最小限に留める必要があります。
(あまりにも詰まるようなら挽き目を粗くする or 微粉が多く発生しすぎないグラインダーの購入を検討することをオススメします)
また、深煎りの場合、粉が液面に浮かんだり、側面についたりします。
こういう場合は、スプーンで表面と側面の粉を沈めてから、スピンをしてみてください。
2分45秒ほどで落としきり、完成です。
このレシピのポイント
挽き目 → 雑味が出るギリギリ一歩手前の細かさ
湯温 → 雑味が出る手前のギリギリ熱く
濃度 →粉量で決める
味をチェックしてみて、
嫌な苦みや渋みを強く感じるようであれば、挽き目を粗く、
あっさりとしすぎていて甘みや余韻を感じなければ、挽き目を細かくしてみてください。
個人的な美味しいかどうかの指標は、
• 口に含んだ瞬間に何を感じるか
• 温度が少し落ち着いたときに、どんなフレーバーを感じられるか
• 冷めても美味しいかどうか
で決めてみるようにしています。
6. Enjoy!
この抽出レシピの良い点は、シンプルで再現性が高いことにあると思います。
言い換えると、ブレが少なく、毎回同じ味になりやすいので、味の調整も行いやすいと思います。
また最初から最後まで均一な抽出をしていることで、冷めても美味しく飲めるコーヒーになっているはずです。
ぜひ日々のコーヒーレシピとしてお試しください:)
ここからは、動画で使用していたオススメのコーヒー器具を紹介します。
おうちカフェを劇的にアップデートする、おすすめコーヒー器具
コーヒー豆
まず美味しいコーヒー豆を手に入れましょう。
抽出によって"コーヒーの美味しさ"をどれくらい引き出すかはコントロールできますが、
そもそも美味しくないコーヒーから、美味しさを引き出すことは不可能です。
ですから、美味しいコーヒーを飲もうと思うなら、美味しいコーヒー豆が絶対に必要です。
コーヒー屋さんのほうが、” 新鮮で美味しいコーヒー豆"を揃えてくれている可能性が高く、オススメです。
スーパーとかは焙煎日の記載がないので、どれだけ新鮮なものなのか分かんないんですよね。
コーヒー屋さんへ行くと、浅煎り・中煎り・深煎りなどの焙煎度合い、品種や標高、産地などの情報が溢れていますが、
わからなければ「いま一番美味しいやつなんですか?」で大丈夫です。
そこから店員さんが嗜好などを聞き出してくれて、自分のスキに近いものを教えてくれるでしょう。
ぼくは、コーヒー全般大好きですが、特に浅煎りのコーヒーを好んで飲みます。
浅煎りの豆は、深煎りに比べて火入れが抑えてある分、素材の味が出やすく、味わいの違いを楽しむことができるのが、その理由です。
ワインのように、コーヒーと何かの食べ合わせ(マリアージュ)を楽しむのも、浅煎りのほうが楽しいです。
ただし、浅煎りのコーヒーを本当に上手に焼く自家焙煎のお店も希少ですので、買うのはなかなか勇気が入ります。
料理の腕がいいシェフがいるように、コーヒーを浅く焼くのが上手な焙煎士がいるので、色々なコーヒー屋さんで試してみるのがいいと思います。
また焼きたての豆はガスを多く含んでおり、ガスは抽出の邪魔をするため、豆から挽いて飲むのであれば、焙煎から3日後〜3週間以内のコーヒーがオススメです。
一方で浅煎りの豆はガスの抜けが遅いため、焙煎日から1~2週間ほどおいてあげると、美味しくなる傾向にあります。
また粉として挽かれた状態で買う場合は、新鮮であればあるほどいいでしょう。
水
コーヒーの味は水の影響を大きく受け、軟水がコーヒーの抽出にはむいていると言われています。
幸い、日本の水は軟水ですので、水道水でも十分、美味しいコーヒーが淹れられます。
また、さらに美味しくコーヒーを淹れたいという人には、水道水をろ過した浄水を使うことをオススメします。
ぼくは最近BRITAという浄水器を購入し、ろ過した水でコーヒーを淹れてみましたが、
今までとは明らかに味わいが変わり、軽い衝撃を受けました。
「カルキ臭さと不純物の除去・硬度の軟化」がコーヒーの抽出に影響を与えるようで、今までよりも嫌な渋味を感じにくくなり、爽やかで、味がクリアです。
毎日のコーヒーの美味しさの上限を簡単に上げられますし、
普段コーヒーメーカーを使っている方も水を変えるだけで違いを感じられるはずなので、楽しいと思います。
ドリッパー
これも何でも良いです。
ぜひテンションの上がる好きなドリッパーを使ってください。
ぼくはHARIOのV60を好んで使っています。
V60は自由度の高いドリッパーで、お湯の注ぎ方で味をコントロールできる点が気に入っています。
プラスチック性のものなら¥300~と値段もかなり安いうえに、陶器やガラスのものよりも断熱性が高いため、抽出中も熱を失わず、効果的な抽出を狙えます。
かなりコスパの良いドリッパーなので、「何を買ったら良いかわからない!」という初心者にもオススメです。
ペーパーも一緒に購入することをお忘れなく。
サーバー
サーバーはなくても、カップに直接ドリップしちゃえば大丈夫なので、一人で飲むぶんには必須アイテムではありません。
ただ、飲む前にコーヒーの温度を「飲み頃」までクールダウンさせたり、二人以上のコーヒーを淹れたりしようと思ったら、あると便利です。
またポタポタとコーヒーが滴り落ちていく様子と音を楽しむのも至福の時間です。
ぼくはKINTOのコーヒーサーバーがシンプルで好きです。
スケール
軽量スプーンでコーヒーの量を決めることもできますが、なるべくスケールを使ったほうが、コーヒーは美味しく淹れることができます。
浅煎り・中煎り・深煎りは、それぞれ豆の持つ水分量が異なるため、同じ大さじ1でも重さは大きく異なります。
冒頭でも書いたように、コーヒーとお湯の比率を1:15~1:20にすると、美味しい濃度にたどり着きやすくなるので、
それぞれを正確に量ると毎回安定した美味しいコーヒーを淹れることができるようになります。
なおスケールはデジタルのものが見やすくオススメですが、タイマー機能が一緒になっているタイプが便利です。
ケトル
お湯を注ぐためのケトルは、何でも大丈夫です。
ティファールでもいいのですが、お湯を狙った場所に安定した量を注ぐのが少し難しいかもしれません。
注ぎ口が細いものだと上手くいくのでオススメです。
また電気ケトルなら温度を1℃単位で設定できるうえに、保温機能もあるので、
お湯が狙った注湯温度まで下がるのを待つ必要もなく、時間が掛からないのでオススメです。
グラインダー
コーヒーは粉で買っている、という人には必要ないモノかもしれませんが、
挽き目も自分好みに調整できるため、あると非常に便利です。
最近はダイソーでも¥500で手挽きグラインダーが買えるということですが、
中途半端なものを買うくらいなら、
• コーヒー屋さんの性能の良いグラインダーで挽いてもらう
• 少し高くてもリターンに見合った良いものを買う
こちらの選択をしたほうが満足度も高いと思います。
ぼくが家でコーヒーを飲む際に愛用しているグラインダーは、コーヒー大国ノルウェーの会社が開発したwilfa Svart Aromaです。
シンプル・ハイパフォーマンス・スタイリッシュの3拍子が揃ったマシンで、挽き目もある程度均一、毎日家で美味しいコーヒーを楽しむには十分な性能です。
2019年に買ってよかったもののうちの一つです。
2年間ほぼ毎日使用している目線でレビューも書いているので、
参考にしてみてください。
終わりに
以上でコーヒーの淹れ方とコーヒー器具の紹介は終了です。
ぼくのコーヒーキャリアは、オーストラリアのメルボルンという世界的に有名なコーヒーの街でスタートし、
その後にニュージーランドへと渡り、2年間で12軒のカフェで様々なバリスタ達と一緒に働きました。
コーヒーの経歴も浅いためか、あまり自分のスタイルに固執していなくて、
試してみて良かったものはどんどん取り入れていこうという考え方なので、
今後も淹れ方は変わっていくと思います。
その際はまた情報をアップデートしようと思いますので、よろしければフォローしてみてください:)
堅苦しくない説明を心掛けたつもりでしたが、よくわからない点があれば、
ぜひ、気軽に質問してみてください。
ぼくも大変勉強になります。
Twitter(@tabikuralog)でもコーヒーのことつぶやいてます。
Reference
Why Spin the Slurry? — Scott Rao
Prewetting: When to do it, when not to — Scott Rao
Extraction Uniformity and Channeling – Coffee Ad Astra
If not Channelling, Then What? - Barista Hustle