(2022.1.24 加筆修正)
Wilfa Svart Aromaの電動コーヒーグラインダーを購入して2年が経ちました。
このグラインダーを使って、ほぼ毎日コーヒーを淹れて飲んでいるので、
語るには良い頃合いかなぁーということで、
悪い点も良い点も含めて、
正直なレビューを書いてみようと思います。
【2022. 1. 5. 追記】コロナ禍の家カフェ需要が増加したことにより、現在全国的に品薄状態が続いているようです。1月末に入荷されるという噂。
【2022.1.24.追記】ようやく入荷されたようです。
「電動グラインダー興味あるんだよなぁ」
と考えている人の参考になれば幸いです。
結論から述べると、
「そこそこ美味しいコーヒーを毎日淹れたい、楽しみたい」
かつ、
「手挽きが面倒!時間や管理の手間は少ない方がいい」
そんな方にはピッタリなグラインダーだと思います。
その一方で、
「味にこだわって究極の一杯を楽しみたい」
という人には、強くはオススメしないかもしれません。
なぜなら、とことん味にこだわったコーヒーを淹れたいのなら、このグラインダーで満足いかないかもしれないからです。
同じお金を支払うのであれば、"1ZPRESSO - Q2 ハンドグラインダー"のほうが挽き目が均一なので、このハンドグラインダーも愛用しているぼくとしては、味にこだわる人にはこちらをオススメしたいです。
何せ ¥24,000 とそれなりにお値段もしますので、
この記事を読んで、自分のニーズにあってるかどうかの参考にしていただければと思います。
それではいってみましょう。
残念なポイント3つ
良いポイントを挙げてるレビュワーさんはネット上にたくさんいますので、
あえてバッドレビューからお伝えさせていただきます。
1. "中挽き~粗挽き"の粒度分布のバラつき・微粉が多い
残念ながら、こちらのマシンは中挽き~粗挽きの範囲のグラインドは不得意だと思います。(後述しますが細挽き~中挽きは優秀)
均一性もイマイチで、なぜか微粉が多い。
「微粉が多いと何が問題なの?」の疑問に簡単にお答えすると、
微粉は抽出の後半で目詰まりを起こす原因になったりするんですね。
目詰まりが起こると、お湯が均一にコーヒーの層を通り抜けなくなり、結果的にコーヒーが不味くなる大きな要因になるわけなんです。
ドリップ中に詰まる問題とその解消方法については、こちらで詳しく解説しています。
また、このWilfa Svartグラインダーの粗挽きが不均一な点については
海外のコーヒー愛好家達も同じ問題について語り合っているので、
「あぁ、これはもうこのグラインダーの弱点なのだな」とある意味諦めがつきました。
Wilfa Svart Aroma - too many fines in grind? : Coffee
"FILTER"の表記より挽き目より粗く挽くと、微粉がめっちゃ多くなって、
抽出中に詰まるんだけど、同じ症状のやつおる?俺だけ?
という投稿。
心配するな同志よ、ここにもおるぞ。
2. 挽いた粉をストックする箱の形状が悪く、挽いた粉を移しにくい
2つ目の残念な点は、粉受けの形状が機能的でないことです。
このスミに粉が溜まりやすく、スムーズにドリッパーに移せないことで、ストレスを感じることがあります。
移し口も、中途半端な広さでイマイチ使いづらい。
さすがに今は扱いにも慣れましたが、
これだけスタイリッシュなデザインなのだから、
細部の使い勝手までこだわってほしかったなぁというのが正直なキモチです。
ちなみにWilfaのデメリットとしてよく挙がる静電気問題は、
挽く前のコーヒー豆を極少量の水で濡らすことで防ぐことができます。


静電気ハックについて詳しくはこちらでの記事で。
3. グラインド中に、振動でダイヤル(挽き目)が勝手に動く
このグラインダーの挽き目調整はダイヤル式で、
ビーンホッパー(豆受け)をグルグル回して挽き目を決められる仕様になっているのですが、
なんと、このダイヤルがグラインドの振動で勝手に動きます。
つまり、グラインド中に、"チョコチョコチョコチョコ…"と動いて、挽き目が変わっていっちゃうんです。
ぼくは最初ビックリして「まてまてぇーーーーい!」と叫びました笑
動くことでどれくらい挽き目や味に影響を与えるのかは分かりませんが、
こわいのでいつも挽き終わるまで手で押さえています。
とても良い点3つ
とまぁ、ここまで悪い点を挙げましたが、
ご安心ください。もちろん良い点もあります。
ここからはグッドレビューを3つ挙げてみます。
1. 中~細挽きは粒が均一!味も満足。
中挽き〜粗挽きの均一性がイマイチと先ほど書きましたが、
打って変わって、中~細挽きの挽き目は、まとまっている印象で、たいへん優秀です。
察するに、この粒度帯がWilfa Svartの得意エリアなのでしょう。
具体的に述べると、"AEROPRESS" の文字付近のグラインドセッティング~細挽きまでは、
コンスタントな挽き目を得られます。
ちなみに"AEROPRESS"の表記はあくまでWilfaが勝手に提案している挽き目の目安で、
美味しいドリップコーヒーを淹れるのにも十分な範囲だと感じています。
(もちろん自分好みのレシピによりますので、「ゴリゴリの粗挽きでスッキリ淹れたい!」という人にとっては守備範囲外ということになります。)
イギリスで有名なコーヒーロースターである"Square Mile Coffee Roasters"も、
この付近の挽き目をドリップコーヒーにオススメしているので、参考にしてみてください。
オススメの「V60でドリップするときの挽き目」
•250ml - AEROPRESSの"P"
•500ml - AEROPRESSの最初の"E"
•750ml - AEROPRESSとFILTERの間の"・(ドット)"
ちなみに、エスプレッソを抽出するために必要な細かさ・均一性までは得られないようなので、この点、注意が必要です。
2. 全然散らからない
次のメリットですが、
グラインダーの周りがほぼ汚れないというメリットがあります。
粉受けがグラインダーの中に収納できる、
"タンスの引き出しスタイル"なので、
挽いた粉が飛び散らないんですよね。
これは多くのユーザーが感じているであろう本当に素晴らしいポイントで、
毎日使うグラインダーの管理としてはかなり楽チンで、とても助かっています。
3. グラインドスピードが速い!
Wilfaはグラインドのスピードが速く、15gくらいなら数秒で挽けてしまうパワフルさがあります。
最初に「ビーンホッパーが振動で動くので、手で押さえなければいけないのがデメリット..」とは言いましたが、
この速さゆえ、その時間は大きなストレスには感じないのです。(手で押さえるわずらわしさはありますが)
ちなみにグラインダーにはオートストップ機能が付いており、時間を調整できるタイマーもついています。
ぼくは毎回必要なコーヒー豆を測って挽くので使っていませんが、イベント出店でコーヒーを連続して淹れる方なんかは重宝するかもしれませんね。
まとめ
以上、Wilfa Svart Aromaのレビューでした。
まとめてみると
得する人
・毎日そこそこ美味しいコーヒーを淹れて飲みたい人
・時間や管理の手間は少ないほうがいい人
損する人
・最高の一杯を淹れたい人【もっと良い性能のグラインダーがある】
・たまにしかコーヒー挽いて飲まない人【場所とるし、たまにしか使わないならハンドグラインダーで十分】
・粗挽きでコーヒー淹れるのが好きな人【粗挽きが得意ではない】
・エスプレッソを淹れたい人【エスプレッソを淹れるのに必要な細かさに挽くことができない】
ということになりました。
中挽きくらいでコーヒーを淹れるのが好きで、
毎日使いたいので管理は楽な方がいい。という人にはオススメできます。
一方で「とにかく美味しい一杯を淹れたい!」という人は、
冒頭でも紹介した1ZPRESSO - Q2ハンドグラインダーがよろしいのではないでしょうか。
同価格帯ですが、Wilfaより挽き目が均一で、少しお値打ちです。
最後に、ぼくのデイリーレシピも紹介しておきます。
Twitter(@tabikuralog)もよろしくどうぞ。